「文書管理」ってナニ?

  • 2008/06/04(水) 14:02:06

ISOを取得されている企業は、社内で作成・発行される文書においても要求事項があり、誰が何の文書を作成しようが「そんなの関係ねぇー」というような訳にはまいりません。

社内の管理方法や作業手順、台帳類、一覧表、検査基準、作業結果を記録する様式など、会社の標準となる重要な文書は、誰かが知らぬ間に独断で文書化して、会社の知らないところで違う管理や業務が行われないように、作成された文書には、必ずその内容を確認し、承認をするように求めています。

昔なら、よかれと思って勝手にやることは「不言実行」と褒められたかもしれませんが、ISOの考え方は、その人がいなくなったらどうするのか?会社が認めていないやり方で万一、不備が起こってしまったら個人攻撃するしかないのでは?と考えるのであります。
会社の将来を左右するかもしれないルールを定めた文書には、次のような管理の要求もしています。

・文書の内容が現在においても合っているかを定期的に確認し、必要ならば改訂し、再承認する。

・使用されている文書が最新版であることが判るように、いつ、誰が作成や改訂したかは明記する。

・必要なときには、いつでも誰でも使用できるようにしておく。
(持ち出して返さないのはダメ。どこにあるのか分からないのはダメ。基本的に整理整頓が大切)

・何が書いてある文書かが判るようにすること。マニアにしか読めないような文書はダメ。

・顧客など社外で作成・発行された文書もちゃんと管理する(当たり前)。そして、使用する部門へ配布し、ちゃんと管理する(当たり前)。

・古い文書を置いておく場合、間違って使用しないように「古い」ことが判るように管理する。

そして、これらの文書管理のやり方は、全員が徹底できるように手順を決めて文書化することが求められています。


基本的に「有言実行」にしてもらわないと、会社は現状の把握もできないし、監視もできないので、最終的に困るのは経営者です。
よく、会社が大きくなっていく段階で「会社が独り歩きする」と聞くことがありますが、この要求事項を軽視すると経営者の知らないところで「独り歩き」が起こるのかもしれません。

「品質マニュアル」ってナニ?

  • 2008/05/19(月) 15:27:20

ISO9001を取得している会社には、「品質マニュアル」という自社の管理の仕組みをまとめたルールブックのようなものがあります。
ISO取得の責任者や推進担当者なら1度は目にする機会もありますが、それ以外の人は、会社にそんなものが存在することすら知らないということもよくあります。

「全員が知らなくてもいいような、そんな程度のものか」と思いきや、これまた、そうではなく、この「品質マニュアル」がないとISO取得のための審査を受けることができないという重要なものであります。
そして、ここに書かれた内容はすべて事実で実際に行われていないといけません。
自社が宣言したことなので、実施していないと審査のときに「出来ていませんね!」と指摘を受け、改善を求められます。
そのため、「書くぐらい、いいカッコして書いてもええやんか」とか「よその会社のものを社名だけ変えて使っといたらええやん」などと軽いノリで作成すると、大阪弁で言うところの「どえらい目に会う」ことになります。

また、「品質マニュアル」には次の記載をしなければいけません。
1.実作業において該当しない要求事項があれば、除外理由を具体的に書く。

2.次の手順をマニュアルの中に書くか、別にある場合は参照情報を書く。
    ・文書管理の手順
    ・記録管理の手順
    ・不良品管理の手順
    ・是正処置、予防処置の実施手順
    ・内部監査の実施手順

3.仕事や管理において、どの部門が関わり合いっているかを書く。


極端に言うと、とにかく、最低限上記の内容が書かれていれば、どんなふうに作成しても構いません。
例えば、規格書の条項順を無視して、実際の仕事の順番に図表を用いて書いてもいいし、写真や挿絵で示しても構いません。
「品質マニュアル」は、できるだけ末端の作業担当者の人が読んでも、なんとなく解るような書き方になっていることが望ましいと思います。
マニアにしか解読できないような「品質マニュアル」は、作成や維持管理の手間ばかりが大変で、何の役目も果たさないものになってしまいますので注意が必要です。


「ISO管理責任者」ってナニ?

  • 2008/05/01(木) 16:35:34

ISOを取得されている企業には、必ず「ISO管理責任者」と呼ばれる人がおりまして、取得したISOが、お客さんや自社のために役立っているかどうかを監視し、問題解決のためにコンサルタントへの支援要請を検討したり、審査登録機関と審査日程などの調整を行ったりします。

単なる”ISOのお守役”と思ったら大間違いで、自社のISOが役立つ道具になるか、金食い虫のお荷物になるかは、この「ISO管理責任者」の考え方や行動によって決まるといっても過言ではなく、そのため、規格書の中にも、経営者は自社の管理層の中からISOの管理責任者となる人を任命するように求められています。

「管理層の中から任命」というと、役職名が付いている人なら良いということでもなく、仮に”社長以下全員一般職”という会社の場合でも、一般職の中から、自社のことを一番よく知っていて、お客さんや会社、社員を大切に想ってくれている人であれば、実質上の管理層として経営者が任命すればよいのです。

”ISO管理責任者”は、極端に経営者か従業員のどちらか一方の顔色ばかり気にして行動するようではいけませんし、何でも自分だけで対応してしまうのもいけません。
ましてや審査がスムーズに終わることばかりに固執して、お客さんや自社のことを忘れ、審査員の言うがままになるなんてことは言語道断であります。

「”ISO管理責任者”なんかに任命されたら大変だなぁ」と思うかもしれませんが、「審査のためにやっているのではない。お客さんに迷惑をかけないように仕事をやりやすくするためにやっている」というスタイルで活動していれば、負担に思うようなことはほとんどないものです。

あなたの会社のISOは古くありません?

  • 2008/04/15(火) 17:18:10

規格には、名称があることを前回のブログで書きましたが、今回はその名称に着目して頂きたいと思います。

最初にISO9001が日本に入って来た時の名称は「品質保証モデル」で、「品質を保証するための模範・手本」といった規格であったため、作業全般においてルールの文書化が求められ、誰もが同じ手順で活動を行い、様々な記録を残すことによって安定した品質を保障することを目的としていました。
もともと軍事規格が原型になっているISO9001を民間企業に使うのはちょっと無理があったようで、型にはまり過ぎた作業環境で業務に支障をきたす会社も多くありました。(この名残が今もあります)

これを反省した現在のISO9001(2000年版)の名称は「品質マネジメントシステム」と改訂され、「事業の管理、経営など、すべてにおける”質”を向上させる仕組み(お客さんの満足度を向上させる仕組み)」を目的とした規格に変わり、経営者も「あとは、ISO管理責任者に任せた!」と、他人任せでは済まなくなりました。
このように、同じ規格番号でも似て非なるものとなっており、”現場で働く作業者だけが良い製品を提供していればそれでよい”といったものではなくなり、要求事項も経営者に関する事が50%、現場の作業者に関する事が50%といった感じの比率になっています。
そして、製品やサービスの「品質」だけに留まらず、人の質、作業環境の質など企業全体の質の向上がねらいとなっています。

未だに、ISO9001は「製品品質」だけの規格と思っている経営者もおられますが、それは時代遅れというもの。
誰も読まない分厚い文書を作成したり
一度記録したものを、ISO用に準備した用紙に再度書き直したり
大したことでもないのに、めったやたらに是正を要求してみたり
外注先がミスをしたら苦情ばかり言って指導もせずに、次から次へと切り捨ててみたり
”自社のルールには問題ありません”と適当に内部監査をしてみたり、
経営者は現場の状況を知っているようでほとんど知らない・・・・。
このような状況になっていたら、それは「ISO9001:2000 品質マネジメントシステム」が求めているものとは違います。
すぐに見直しをして下さい。 全員協力で!

「ISO9001:2000」って何の数字

  • 2008/04/10(木) 15:05:26

国内や海外規格の呼び名は、規格番号と名称及び制定された西暦で示されています。

「ISO9001:2000」の場合は、ISO(国際標準化機構)という組織が定めた、規格番号9000番台に位置付けた規格で、2000年に制定発行されたものという意味になります。
規格の名称は「品質マネジメントシステム」で、これに関係する規格類はすべて9000番台の番号が付いていて、取得する際の構築ヒントのようなことが書かれているISO9004:2000「パフォーマンス改善の指針」や、使用してる言葉の意味をまとめたISO9000:2000「基本及び用語」などがあり、これらを総称してISO9000シリーズとも呼びます。

最初にISO9001が制定されたのは1987年ですが、日本にISO9001が入ってきたときは1度改訂されていて、規格番号は「ISO9001:1994」で、名称は「品質保証モデル」となっていました。
また、ISO9001、9002、9003と自社で活動している工程の種類別に3種類に分かれていました。

ISO規格の原文は英語で記述されているので、これをJIS(日本工業規格)が翻訳し、国家規格として制定したのが「JIS Q 9001」となります。
「なぜ、ISOを取得するのにJIS規格を用いるんだ?」と思われた方もいるかもしれませんが、このような理由からであります。